
第2章南アフリカ共和国の状況
2.1自然条件
南アフリカ共和国はアフリカ大陸の南端南緯22度から35度に位置する。国土面積は112万3千km2で日本の約3倍の広さがある。地形的には全体が盆を伏せたような形をしており、東部及び南東部で海岸から急激に高まった高地は内陸部まで続き、西海岸に向かってゆるやかに傾斜している。地形を分類すると山脈、高原、低高原、砂漠、森林、沿岸平野と変化に富んでいる。
気候は、国土の大部分が湿帯に属し、日照時間が長く、海流と高度の関係で、北半球の同緯度の地域よりも涼しく乾燥している。四季は日本と全く逆であるが、日本のようにはっきりとした四季の変化はない。気温は一般的に夏季(12、1、2月)で22℃。冬季(6、7、8月)13℃程度である。
2.2 社会経済条件
2.2.1 政治
南アフリカ共和国の近代国家としての始まりは17世記半ばにオランダが植民地を設けたことにに始まり、18世紀末にはイギリスも入植を開始した。
その後、ボーア人(オランダ人入植者)とイギリス人との間に対立が始まり、1880〜1902年に2度に渡って、いわゆるボーア戦争が起こった。戦争はイギリス側の勝利となり、英連邦の一員として1910年南アフリカ連邦が結成された。1948年国民党(オランダ系アフリカーナの政党)が単独政権を握り、アパルトヘイト(人種隔離)政策を実施した。1961年イギリス連邦から脱却して、南アフリカ共和国として発足した。
1991年にようやくアパルトヘイトの終結を宣言し、1993年国連総会
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